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  1. 7)人材育成事業
沖縄美ら島財団総合研究所

普及啓発の取り組み

7)人材育成事業

山本広美*1・国広潮里*1

1.はじめに

沖縄の将来を担う人材の育成を目的に、県内の新聞社が主催する環境教育事業に共催し、実施している。自然環境や科学に興味を持つ沖縄県内の小中学生が、視察や体験学習、研究等を通して探究心を育みながら、地域の自然について学ぶ機会の充実を図るとともに、財団職員が持つ動植物や環境に関する知識や経験を活かした学習機会の提供を行う。また、大学等で学ぶ学生や教員を対象とした次世代の指導者育成にも寄与すべく事前調査及び実施計画を行う。

2.事業内容

1)沖縄こども環境調査隊

沖縄こども環境調査隊は、沖縄の将来を担う子どもたちが環境問題の現場を訪ね、実際に見て、聞いて、感じ学んだことを、新聞を中心としたマスメディア等での紹介より情報発信する学習ツアーである。沖縄タイムス社が主催し、当財団は共催として事業を行っている。12年目となる今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全行程が来年度以降に延期となった。

2)新報サイエンスクラブ

新報サイエンスクラブは、県内の小中学生が行う沖縄の自然や動植物に関する調査研究を対象に助成を行うもので、児童生徒の「科学の芽」を育み、環境の重要性や沖縄の自然環境への関心を高め、次代を担う人材の育成を目的として実施してきた。
本年度で事業を開始してから10年目であったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の為、事業中止となった。過去10年間に採択された研究者数名と審査員のコメントを集めた振り返り紙面を掲載した。

3)指導者育成事業

大学等で学ぶ学生や教員を対象に、次世代の指導者を育成することを目的とする。
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、一般向けの事業は実施せず、財団職員に向けた事業を実施した。

(1)有孔虫勉強会
沖縄美ら海水族館内で有孔虫を用いた工作教室を実施することを目標に、魚類課 解説員に向けて「有孔虫勉強会」を行った(新型コロナウイルス感染症対策のため、グループを分けて実施)。勉強会では、有孔虫の生態についての講義や参加者からの質問事例の紹介、生体採集の実習を行った。

(2)海洋博公園内海岸生物調査
4月から3月までの月に一度、海洋博公園内の海岸において生物の調査を実施した。7月には、本調査に魚類課 解説員が同行した。館内で展示している生物が野外ではどのような環境で生息しているかを重点的に観察した。

(3)まとめ
本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、一般向けの事業を実施することはできなかったが、水族館職員向けに実施したことで、館内でのタッチプール等の解説に活かされた。今後も、園内の魅力向上のため、職員向けの観察会を一般向け事業のモデルケースとして実施し、職員の公園に関する知識向上と魅力の再発見に繋げる。

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    写真-1 有孔虫勉強会
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    写真-2 嘉陽海岸での有孔虫の生体採集
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    写真-3 海洋博公園内での生物調査

3.外部評価委員会コメント

県内の小中学生が、視察や体験学習、研究等を通して探究心を育みながら、地域の自然について学ぶ機会を得る、評価の高い事業である。今後も発展継続を期待する。(池田顧問:琉球大学 名誉教授)


*1普及開発課

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