海洋生物の調査研究
ジンベエザメは全長12メートル以上になる最大の魚類です。このサメはプランクトンを主食としますが、その摂食行動は非常に複雑であることが知られています。中でも特徴的な行動に垂直採餌があります。ジンベエザメは口を水面に向けて垂直に立ち、水面に浮かぶプランクトンを吸い込んで食べます。
垂直採餌の謎のひとつは、サメの体は一般的に水より比重が重たいにも関わらず、採餌中に沈んでしまわないことです。しかも、採餌中は尾鰭の動きを完全に止めて水面に浮かんでいるように見えることがあります。
本研究では、沖縄美ら海水族館で飼育されている2頭のジンベエザメの体積と比重を推定し、水中での重さを計算しました。その結果を踏まえ、垂直採餌中に吸い込む空気が口腔や鰓腔に滞留し、その空気の浮力によってジンベエザメは水面に浮かんでいるとの仮説を提唱しました。つまり、ジンベエザメは、吸い込んだ空気によって楽をしながら餌を食べていると考えられます。
水面に向かって垂直に浮かんで餌を食べるジンベエザメ
Taketeru Tomita, Minoru Toda, Kiyomi Murakumo, Kei Miyamoto, Rui Matsumoto, Keiichi Ueda, Keiichi Sato (すべて財団職員)
Volume of the whale shark and their mechanism of vertical feeding
Zoology
法人案内|アクセスマップ|プライバシーポリシー|ソーシャルメディアポリシー|お問い合わせ|サイトマップ
Copyright (c) 2015 Okinawa Churashima Foundation. All right reserved.