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  1. 沖縄島近海のクロウミガメにおける人工物摂食状況に関する論文が掲載されました!
沖縄美ら島財団総合研究所

海洋生物の調査研究

沖縄島近海のクロウミガメにおける人工物摂食状況に関する論文が掲載されました!

海洋に流出した人工物は,多くの海洋動物に影響を与え,世界的な問題となっています。ウミガメ類における人工物の摂食は、生存や成長に悪影響があることが示されており、沖縄島近海の状況を明らかにすることは,ウミガメの保全活動を行う上で重要です。
 1999年から2023年にかけて沖縄島近海で発見された5個体のクロウミガメを対象に、西部太平洋地域で初めてとなる人工物摂食状況の調査を行いました。生きた状態で発見された3個体は沖縄美ら海水族館で飼育し、2〜72日後に軟質プラスチックやその他の人工物を排出しました。残りの2個体は死亡漂着個体であり、解剖により消化管内容物を調査した結果、1個体からのみ人工物が検出されました。全体としては5個体中4個体(80%)で人工物の摂食が確認され、同海域に生息する他種のウミガメと比べて高い割合であることが明らかとなりました。
 本研究から、沖縄島近海のクロウミガメは人工物の摂食率が高く,その人工物が長期にわたり消化管内に滞留することで健康状態が悪化することが懸念されました。そのため、沖縄島周辺で発見されたクロウミガメに対しては積極的な緊急保護を行い、薬剤や内視鏡を用いた速やかな人工物除去が必要であると考えられました。
 詳しくは、下記の論文をご覧ください。 。

画像
1個体のクロウミガメから排出された人工物(下線部の長さは50 mm)

著者名

笹井隆秀・山崎啓・真栄田賢・水落夏帆・木野将克・河津勲(すべて財団職員)

論文題名

沖縄島近海のクロウミガメChelonia agassiziiにおける人工物の摂食状況

雑誌名

うみがめニュースレター

論文リンク

https://www.umigame.org/katsudou/fukyu/newsletter.html

お問い合わせ先
総合研究所
〒905-0206 沖縄県国頭郡本部町石川888番地
TEL:0980-48-2266   FAX:0980-48-2200

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