1. 雄のジンベエザメの性成熟過程でおこる体の変化を明らかにしました
沖縄美ら島財団総合研究所

海洋生物の調査研究

雄のジンベエザメの性成熟過程でおこる体の変化を明らかにしました

沖縄美ら海水族館で飼育中の雄のジンベエザメである「ジンタ」の長期飼育により、性成熟に達するまでの形態的特徴や生理的変化に関する以下の知見を、世界で初めて得ることが出来ました。

  • 全長8.5m で交尾器(クラスパー)が急速に伸張(11 か月で変化)する
  • クラスパーの伸張とともに性ホルモン(テストステロンおよびプロゲステロン)濃度が高くなる
  • これらの変化に合わせてクラスパーを内転させる行動や、精液の放出等が観察され、ジンタが機能的にも成熟する
  • 既知の報告や成長速度から、ジンタは25 歳以上の年齢で成熟したと推定される

今後もジンベエザメの長期飼育を通して、繁殖等の研究を推進し、本種の生態解明や種の保存に貢献したいと考えています。

著者名

松本瑠偉松本葉介植田啓一、鈴木美和、朝比奈潔、佐藤圭一 (太字:財団職員)

題名

Sexual maturation in a male whale shark (Rhincodon typus) based on observations made over 20 years of captivity.

雑誌名

Fishery Bulletin

論文リンク

https://spo.nmfs.noaa.gov/sites/default/files/pdf-content/fish-bull/matsumoto_1.pdf


雄特有の繁殖行動(クラスパーを交差させて体全体を回転させる)


性ホルモン(テストステロン)濃度変化とクラスパーの伸張

お問い合わせ先
総合研究所
〒905-0206 沖縄県国頭郡本部町石川888番地
TEL:0980-48-2266   FAX:0980-48-2200

ページトップ